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テラゾーの魅力

テラゾーサンプル

大理石の偽物と認識されていることの多い日本語で言うところの「テラゾー」。 実は愛しい存在なのであります。 駅、ホール、百貨店等 大正・昭和時代の公共建築物や大規模建築物の床材などに大理石の代用品として選ばれることが多かったようで なかなか印象には残らないものの日々の生活の要所ようしょに登場してくる仕上げです。 現在ではあまり使われなくなったために日本のテラゾー工場はだいぶ減ってしまっているようです。

テラゾーとはイタリア語源でterrazzoと表記します。 テラッツォとも言いますがテラゾーと呼ばれる方が一般的なようです。 大理石などの砕石をセメントに混ぜ塗りつけて養生後磨いた仕上げを言います。 日本でも研ぎ出しという左官仕上げがありますがテラゾーとの違いは 砕石する石の大きさにあり研ぎ出しの方が小さな石を使うそうです。 工程が似ていても気候・風土・文化の違う所で育まれたものはやはり何かが決定的に違うんですよね。 遠く離れた地で似たような仕上げが存在するというのは興味深いところです。

テラゾーカウンター

テラゾーの魅力はなんといっても表現の自由度。 セメントに混ぜる材料によって、 磨き具合によって表情が変わります。 逆に言えばイメージした仕上がりにするにはどういった工程を経ればいいのか研究を重ねればその風合いを出すことができるのは デザインをする立場からするととても有難い工法です。

テラゾーは工場でタイル状に加工して現場でタイル張りの要領で仕上げていく方法の他に現場で全ての工程を行なう方法があります。 これがもうひとつの醍醐味です。 タイル状のテラゾーとの区別で現場テラゾーという呼び方をしています。

現場テラゾーでは単品ではなく周囲のものと一体感をもちながら形状を自由に作ることができるという点が他の工法にかえ難く 私がテラゾーにとりつかれて止まない最大の理由であります。 下地のコンクリートやモルタルの硬質感をもちながら同時に滑らかな曲線や風合いを融合できるのは現場テラゾーならではです。

  テラゾーキッチンカウンター

キッチンカウンター、バスタブ、洗面台、床と同素材で立ち上がるカウンターの脚…。 自由な質感で自由な形状が作れる。 これができるのもその技をもった職人さんあってのこと。 どうぞ今後ともよろしくお願いいたします…。

現場テラゾーはRC造の建築物同様に構造体から組み上げてモルタルを養生し研ぎ出しを繰り返すといういくつもの工程を経て完成します。 ユニットを組み立てて完成という簡易さはありません…。 そのためにどうしても工期が短くなくてはならない現場ではなかなか採用できないという現実もあるのですが…。 別荘や商業施設だけではなく毎日の暮らしの中心である住まいの中にもっと採り入れていきたいと思っています。